描いた絵を、保存や展示のために裏打ちするんです。宣紙というとっても薄くて弱い紙に描くので、そのままでは保存したり展示したりできないんですよ。というか、したくないです壊れそうで。
紙は水分を含むと伸びますから、そうして伸びてる隙に裏にもう一枚紙を張りつけるんです。それを裏打といいます。なんで、伸ばすかというと、乾いてちぢんでいる時は、紙が平面ではないからです。濡れて伸びて台に張りつけると、ほぼ平面に近くなりますから2枚を合わせてもシワになりません。平面とは程遠い紙同士をあわせるとシワになりますから。
裏に張る紙を裏打紙といいます。裏打に使う糊は正麩糊といいまして、私の記憶が確かならば、小麦粉からグルテンという成分を抜き取った残りカスが正麩です。つまり小麦澱粉だそうです。その正麩を薄く使うので、後で剥がすことができるようですね。正麩糊は、乾燥した後でも水で溶ける感じです。この正麩糊を濃く使うとしっかりくっ付くけれど、将来剥がしたい時に剥がせなくなります。しかも、掛軸とか巻物にするときに、ゴワゴワで巻きにくくなるらしいです。折り目が入ったりするのでしょうか。まだ確認していません。
そして、裏打が済んだ紙は仮張りします。濡らして伸ばして、台に貼り付けます。そのときに周囲にだけ糊をつけるので、乾燥すると、ちぢみたいのに周囲が糊付けされててちぢめないので、ピンと張るのです。その状態がやばいんですよ。美しいんですよ。宣紙って美しいんだなーとほれぼれする時間です。描く時に墨を使うけれど、墨よりも紙の美しさです。描かれた線の外側に広がる無限の宇宙です。じゃあなにも描かなければいいのかというと、そうではありません。なにも描かれていないパネルは、ただの壁や何かの材料と同じです。ぼくはそういう表現はしません。じゃあなんで描くのかというと、それは秘密です。むふふふ。
日々そういうことをしたり考えたりしています。
2006年11月11日土曜日
仮張りします