先日、実家の近くの公民館でフランソワが演奏するというウワサを聞いたので急いで行ってみた。
公民館は見たこと無いほどの人の数だった。そして、真ん中あたりでさらなる人垣が出来ていて、ピアノの音が聞こえた。わーいわーい。急いで近づくとフランソワが演奏していた。聞いたことの無い曲だった。ラヴェル的なそれでいて新しい。ジャズ?なんだこれはと聴き入っているうちにいつのまにかぼくは一番前にいた。うわー、フランソワにさわれる距離だわーい!とミーハーまるだしで大興奮だ。そして気が付くと隣に座って一緒に演奏していた。あれ?なんでぼくはピアノが弾けるんだろう。すげーきもちいい。手がかってに弾いているぞ。うわー。その音楽は、森の中だった。深い霧がたちこめていて地面はほぼ苔むしている。森の匂い。昼の光も森の内側にはあまり届かず、薄暗く心地よい。少し歩くと水溜まりがあった。そこは動物たちが水を飲む場所だ。しかし今そこにはぼくとフランソワがいるので鹿たちが遠くから見ている。ぼくが景色の中に間違った四角を描いた。それは不快だったが彼はそれをうまいこと鳥の巣箱に変えた。その巣箱からひなたちを巣立たせて、そして大きな岩に腰を降ろして空を見上げた。最後の一音を長く長く消え入るまで伸ばして演奏を終わらせた。
彼が立ち上がって握手をした。それほど大きいわけではないキレイな手だった。そして拍手をした。
拍手の中で彼は、今の曲は昨日作ったばかりなのになんで知ってるのかと訊いてきた。ぼくは、そんな曲は知らないから弾きたいように弾きましたピアノは弾けないんですと答えた。
という夢を見た。
彼はもういないし、ぼくはピアノを弾けない。
2007年2月6日火曜日
フランソワ+きぼりお